フォーチュン・クエストという物語に出会えた幸せ

先日、七月十日に、三十年続いたフォーチュン・クエストが完結を迎えました。
無印含めて、全四十三巻とのことで。
ここにリプレイや、コミックス版も合わせるともう少し増えるんですが、そんなに出ていたんだなぁとしみじみ思いました。

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新フォーチュン・クエストⅡ~ここはまだ旅の途中<下>~

発売日に届いて一気に読んでしましました。
ネタバレはしませんが、本当にフォーチュン・クエストらしい終わり方でした。
賑やかで、あちこち走り回って、そしていつもあたたかい、そんな物語。

フォーチュン・クエストは何となく、こう、ずっと続くんだろうなという印象がありまして。
もちろん新フォーチュンになってから、旅の終わりを示唆するような言葉は時々出ていたりはしたんですけどね。

こうして改めて『終わり』を感じるとさみしさがじわじわきますね。
もう一度最初から読んで来よう。

フォーチュンの好きなお話

私が好きなフォーチュンの話は、

・四巻 ようこそ、呪われた城へ!
・七巻、八巻 隠された海図<上・下> 
・新一巻 白い竜の飛来した町
・L一巻 トラップハウスからの挑戦状

です。
呪われた城では前半のホラーと、後半のアンデッド達とのわちゃわちゃぶりが好き。

七、八巻は海の物語が爽やかで、夏らしくて、すごく良かった。
銀の笛とか、パステルの誕生日にと、ブーケをプレゼントしていたシーンが大好きで。

白い竜の飛来した町ではジンジャーとのやり取りが可愛いですし、トラップハウスからの挑戦状はたくさんの罠を相手にわちゃわちゃするのが良かった。
私の中でのファンタジーの根っこや始まりはフォーチュンなので、良く考えると今も好きな要素がここに詰まっていましたねぇ。

新フォーチュン・クエストと言えば食卓の騎士

フォーチュンってゲームも出ていたんですよねぇ。
SFC版のダイスを転がせと、PS版の食卓の騎士たち。どちらもボードゲームでした。
特に食卓の騎士たちが好きだったんですよ、私。

ダイスを投げて、出た目を移動して、種を植えて作物を収穫。
最終的に所持金が一番多かった人が優勝です。
四年に一度の収穫祭での、料理コンテスト大好きだったんですよ。

フォーチュンを知らなくてもゲームとして楽しめる作品なので、アーカイブス化しませんかねぇ。
アニメ化もしたり、コミックス化もしたり、ゲーム化もしたり。

そうそう、アンジェリカ様はコミックス版からの、本編にやって来たキャラクターなんですよねぇ。
ツミレの里に出てきたレイとエナのコンビも好きだったなぁ。彼らもどこかで元気に冒険しているんだろうな。

英雄たちの物語を描く作品が多かった中で珍しい、普通のパーティを描いた物語。

フォーチュンって、その頃のライトノベルでは珍しく、普通の冒険者たちを描いた物語だったんですよね。
低レベルでひいひい言いながら、家族のようにわいわい賑やかに過ごしていく。

これがすごく良いなって思ったんですよ。
私がファンタジーの世界にはまったのは、この、普通を描く作品の雰囲気が心地良かったからでした。

マリーのアトリエのキャッチコピーにあった「世界を救うのはもう飽きた」にも通じるものがあるんですが。
そういう、その世界に生きる普通の冒険者たち、普通の人達を描く作品が、とても新鮮でした。

思えば『保険』を認識したのもこれが最初だったのかもしれません。
冒険者カードもね、創作キャラクターで真似したりしたんですよ。楽しかったなぁ。

この物語に出会えたから、ファンタジーを好きになれた。創作をする楽しさを知った。
私はフォーチュンを読んでから、色んな本を読むようになりました。
ここが色々な意味で、私の原点でした。

本当に楽しい物語だった。
彼女たちの物語を最期まで見届ける事が出来て幸せだった。
そして物語は終わっても、これからもきっと続くであろう六人と一匹の、世にも幸せな冒険者たちの旅路に、幸せがあらんことを。

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